ヒトもすなるblogといふものをネコの私もしてみんとて、するなり。

2005年09月25日

「心」について頭の中を整理してみる

ロボットの「心」について色々考えていたらマスマスまとまらなくなってきてしまったので,頭の整理にblogへ投げてみる.

そもそも「心」とはなんなのかといえば,一般的には「知(知能)・情(情動)・意(意思)」の三つから成り立っているといわれてる.
じゃあそれがロボットに限らず生き物にあるといえるかの判断は,かなり乱暴だけど観察しているヒトの主観的な判断以外に存在しないはず.
この辺は研究室での方針であって,犬に心があるかどうかと尋ねれば大抵のヒトがあるというだろうけど,犬なんかに存在しないというヒトもいるからやっぱり主観的なものになると思う.

だから今のペットロボットだって,叩かれれば怒るし撫でれば喜ぶのだから「情」の部分はあるといえるのかも.
でもこれは「情」の中でも「感情」に関する部分だけに限られていて,たとえばお腹が空いたとか,疲れたとかの広い意味での「情動」行動は示さないし,そこまでやろうとしたら設計者はかなりの数の行動パターンを考えてやらなければならない.

だからこそロボット自身に「創発」してもらいたいワケだけれども,それにしても行動を起こすには仮説としてなにか行動基準が必要になる.
この基準をウチの研究室では「自己の保存」という観点に見出している.
叩かれれば壊れる危険があるとか,激しく動いてバッテリーの残量が危ないとかそういった状態を回避するために起こす動きが,結果として「怒っている」とか「お腹が空いている」という状態に見えるのではないかということ.
ドーキンスの「利己的な遺伝子」でいくと,それはさらに「遺伝子」の保存のための行動にまで細かくなるけど概ね一致しているのかな?

ここまではこれまで研究室で行われてきた成果.

上の例の「怒っている」とか「お腹が空いている」というのは「知・情・意」の中では「情」寄りに属している部分だけど,「自己の保存」は多分これだけで終わるものじゃないような気がする.
「利己的な遺伝子」の影響をかなり受けているせいかもしれないけど,行動戦略すらも遺伝子の繁栄の成功・不成功に依っているのだから.

そもそも「知・情・意」の三つは複雑に絡み合ってその境界すら曖昧なものだから,個人的にはそろそろ「知」か「意」の方向を絡めて攻めていってみたいなぁ…
そのためにニューラルネットだの強化学習だの,進化的計算だのの機械学習を調べたり,認知科学系の本を色々読んだりしているけれど,調べれば調べるほど生物の巧みさにヘコむばかり…(´・ω・`)ドウシヨウカネェ

投稿者 CopyCat : 2005年09月25日 17:38

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