ヒトもすなるblogといふものをネコの私もしてみんとて、するなり。

2005年10月15日

ブックレビュー「盲目の時計職人」

盲目の時計職人」(著:リチャード・ドーキンス)を読みきりました.
今回もやっぱり面白かったけれども,先に「利己的な遺伝子」を読んでしまったので前回ほどの衝撃はありませんでした.

「道端に時計が落ちていたら,誰もその時計がひとりでにそこに出来上がったとは考えない.時計職人(デザイナー)の存在を考えないわけにはいかないだろう」
という創造論者の反論に対して,
「「突然変異」によるランダムだけれども微妙な変化に「自然淘汰」で適者が生き残り繁栄するという必然性を繰り返すことで,漸進的に達成することができる」
という話をていねいに説明していってます.
ちなみにタイトルの「盲目の時計職人」とは,進化にあらかじめ決められた道筋(設計図)はなく盲目的な自然淘汰によって目のような複雑な器官が完成される,ということから上の時計職人とあわせてこういうタイトルみたいです.

ありがちな進化論の誤解では,「ランダムな変化だけでいきなり空飛ぶ生き物が生まれたりするの?」とか「進化の途中の目なんて役に立たないから生き残りに関係ないんじゃないの?」という話にも,「ランダムなのは突然変異だけで,自然淘汰で適者が必然的に生き残り,そこからまた進化が少しずつ進行するもの」と反論し,「たとえ進化の途中の目でも,周囲の変化を察知できるのであればないよりまし.目が悪い人がメガネをはずしたって失明しているよりはマシでしょうが」といったような例え話をふんだんに使って説明を試みています.

進化論は未だに創造論とかラマルク主義とかの反論の種になっているけれども,最後の章ではそれらの主張に対してどんな問題があって,進化論ではそれをどうやって解決できるかを話していたりとなかなか面白いです.

この本もお勧めですな.
あぁ,でもやっぱり洗脳されてる…(´∀`;)

投稿者 CopyCat : 2005年10月15日 20:02

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